読んだら書くだけの存在

漫画や本を読んだ後の個人的感想の記録

マンガ

64. 『好き好きだいちゅきつよつよソード』1巻 おかしな剣と庇護欲煽る勇者とポンコツ王女

異世界モノといえば、剣と魔法と勇者と魔王の四大要素が欠かせないイメージがある。 ラノベの一大ジャンルになる前、これらは主に『ドラクエ』や『FF』に代表されるRPGの王道世界観だったと思う。 なのでこの要素をメインテーマにする作品をジャンルで呼称す…

63. 『世界鬼』1~11巻完結 少女に凝縮された闇に一条の光が差す

精神世界が登場するマンガは多い。 何らかの能力を経由して誰かの心に潜りその人を救ったり、他社の支配から解き放ったり、当人の過去を知る展開は王道だ。 潜る精神世界にありがちなのはドロドロの黒に覆われた空間に当人が囚われている状況。心に深い闇を…

62. 『惑星の影さすとき』 物理を解して光速で宇宙へと誘うハードSF

イーロン・マスク氏のニュースを見ていると宇宙旅行が一般に実現するのもそう遠くないと思えるが、仮に一般化しても旅費を考えると安易に旅先候補に加えるのは憚れらる。 ならば庶民は宇宙へ行くことはできないのか? 宇宙不平等が是正されないなら仕方ない…

61. 『ブランクスペース』1~3巻完結    空   白 の  意味                           

「何もない」とはどういう状態だろう。 大気に満ちた地球上において何もない場は存在しない。 何もないという言葉を使うのは、 「(興味あるものが)何もない」だったり 「(食べたい物が)何もない」という広義の意味だけだ。 もしも何もない空白を五感で感…

60. 『瑠璃の宝石』1~3巻 宝石を探し見て触れば地球を知れる

今年に入ってからずいぶん更新が途絶えてしまい申し訳ないです。 前回も触れたようにマンガは新たなものも含めてそれなりに読んでいるのですが、ブログを書くモチベーションが上がらず……というよくある心理に陥ってました。 今日からまた細々まとめてアップ…

59. 『雨宮さん』1巻特装版 あふれる"好き"を語ればきっとみんな幸せ

あけましておめでとうございます。 一応の挨拶だけ済ませまして、今年一発目の漫画を。 実は年明けから大量に漫画を買ってしまい、ぎゅっとまとめて読み終えている途中なのだ。 せっかくなのでその中から特別な一冊について書こうと思う。

58. 『ゆるゆり』22巻特装版 変わらないけど少しずつ変化していくキャラクター

「百合」とは植物のユリを指す言葉だが、意外と古くから女性同士の関係を意味する隠語として使われてきた。反対に男性同士だと「薔薇」というがそれぞれの由来は良く知らない。 アニメ漫画に触れる皆さんならまずご存じにことだとは思うので既に隠語ではなく…

57. 『オカルト研は存在しない!!』1, 2巻 やりたい放題なオカルト×百合コメディ

皆さんはオカルト事象を信じているだろうか? いつか流行った学校の怪談や七不思議。ネット中心に支持される都市伝説や陰謀論、UFOや心霊の写真動画は今でも人気がある。 真偽はさておき、あくまでもエンタメの一コンテンツとして楽しむ分には何も問題はない…

56. 『新・血潜り林檎と金魚鉢男』1, 2巻完結 雨天の吸血鬼に立ち向かう少年少女のその後

連載中でまだ巻数が増えるマンガと完結してもう巻数が決定しているマンガ、どちらいいだろう。 新しいものを読みたい人は前者、最終回まで一気に読みたい人は後者を選ぶだろう。私は、昔は現行作品の方が好きだったが今は過去作を手に取る頻度が増えた。 間…

55. 『クロシオカレント』1巻 魔女も宇宙人もカツオが歩くのも高知なら当たり前

出身者にとっては日常でも観光客からすれば珍しい、その地方特有の文化は旅の醍醐味でもある。 一方で現地の生活者からしても当たり前に接していながら由来も理由もわからないまま馴染んでいる文化もあるかもしれない。 少しの違和感と不思議が混ざり合った…

54. 『空っぽの少女と虹のかけら』1巻 別世界に迷い込んだ何も持たない少女の未来は

”感情”はコミュニケーションの重要な道具の一つだ。 人間は顔の筋肉、身振り手振りで相手に気持ちを伝えようとするし、その時の気分で自然に表情が変わってしまう。 人以外の生物、特に哺乳類には表情は乏しくとも一定数の感情表現がある。たとえば「犬がし…

53. 『まほろばきっさ』1~3巻完結 街の片隅にマイペースメイドの喫茶店

メイド喫茶が流行ったのは何年前だったか。 10年以上前、2000年代頃にアキバ系かつオタク文化の一つとして隆盛したのが遠い過去に思える。秋葉原には2,3回しか行ったことないが街頭にメイド服姿の客引きが立っていた光景はすっかり歴史の一ページになってし…

52. 『新装版 こあくまメレンゲ』 悪魔らしくないアクマの小さな侵略

この世にはいくつの漫画があるのだろう。 アメコミなど外国作品を除いたとして日本産のみでも何百万、同人誌やネット限定公開なんかも勘定すれば何千万、何億、途方もない数があるに違いない。 連載作だけに絞って考えよう。大半は単行本にして1~3巻程度の”…

51. 『あそびあそばせ』14, 15巻 混沌極めし女子中学生漫画の完結

新刊が出るたびに継続して購入している漫画が何作あるか数えたことはないが、途中で買わなくなってしまったものも恥ずかしながらいくつかある。 決して作品がつまらなかったわけではないのだが、毎月何冊も買う身としては紙一重だが面白さ優先度をつけてしま…

50. 『南くんの恋人』 丁寧に大切に触れなければならない

休みも挟みつつ50回目。一度更新が途切れると途端にやる気がなくなる生粋の三日坊主タイプな私だがよく続いていると褒めたい。 何かを意識して継続している人は案外多くないんじゃないかと思う。いろんな理由をつけて諦めたり止めてしまったり、そして自己嫌…

49. 『ディーふらぐ!』17巻  ヒロインレース加速するカオス学園部活モノ

お久しぶりです。 コロナ感染で寝込んでいるうちにしばらくぶりの更新となってしまいました。今日からまたゆるゆる再開していこうかと思います。 というわけで今回は超マイペースなキャラが繰り広げるドタバタコメディの最新刊となります。

48. 『くーねるまるた ぬーぼ』9巻 季節と友人と街と美味しいものを食べる

食事を一番の趣味にしている人はさぞ幸せなことだろう。 毎日基本3食、もしくはそれ以上の楽しみが確約されているのだから心身ともに日々の活力になっている。逆に食を損ねればテンションもモチベーションもだだ下がりな訳だが…… 生きることに不可欠な食をた…

47.『生徒会にも穴はある!』1巻 ただの優等生じゃない個性派メンツの生徒会コメディ

漫画全体で学生が主人公もしくは舞台の作品ははたしていくつあるだろう? 全ジャンルで考えても圧倒的に高校モノが多いのではないだろうか。部活、恋愛、そして生徒会。 年齢はそこそこなので体格もほぼ大人と同じ、使えるお金も増えて精神的にもそれなりな…

46. 『カナン様はあくまでチョロい』1巻 悪魔お嬢様は最高にピュアでカワイイ

疲れた時や嫌なことがあったとき、どうやって解決するのか。 美味しいものを食べる、旅行に行く、お酒を飲む、思い切り歌う、寝続けるなど…… 行動力や趣味や気力によっても変わるが、そんな時でも視界に入れるものは綺麗だったり可愛い物の方がいいに決まっ…

45. 『あつまれ! ふしぎ研究部』14巻 あらゆる不思議を研究”しない”コメディ

学生時代、多くの人が一度は何かしらの部活動に精を出していたのではないだろうか。 3年間真面目に努力を重ねた人もいれば友人たちと気楽に過ごした思い出ばかりの人もいると思う。 どちらがいいとか悪いとかは全くない。大人になったときに楽しかったと振り…

44. 『放課後ていぼう日誌』9巻 大物狙いの夜釣りで主人公の成長を感じる

素人から玄人までのめり込むほどの趣味に会える人は果たしてどれほどいるだろう。 趣味がなく休日をダラダラ過ごしてしまう人も多々いる中、何であれ奇跡的な確率で巡り合った人は確実に幸運の持ち主だ。 たとえ印象が悪くても何事も挑戦してみれば180度考え…

43. 『てるみな』1~4巻 ネコミミ少女が行く夢幻列車旅

盛夏を過ぎコロナ禍がようやく落ち着きを見せ始めて国内外の旅行をしやすくなったと思ったらあっという間にやんわりと自粛ムードが広がりだした現在。 とはいえ昨年、一昨年とは異なり皆の考え方も変化してきて「慣れ」が定着してきたこともあり、忘年会は中…

42. 『黄色い悪夢』 人の内面に迫る奇妙奇抜ホラー

悪夢を見た経験はあるだろうか? うなされ叫びながら起床する、よくあるシチュエーションを実体験した人は少ないだろうが、悪夢のような現実に遭遇した人は案外多そうに思える。 いつ何があるかわからない日常で、周囲の人との軋轢が大事件に発展するパター…

41. 『不安の種 *』5巻 人の傍に潜むは理解不能の恐怖

ホラー映画を見た後の入浴時は誰しも背後を気にするだろう。部屋の片隅や半開きの扉の向こう側、真っ暗闇の廊下に深夜のチャイム音…… 普段気にも留めないすぐそこにある事象が全て得体のしれないものを含んでいるようで不安になってしまう。 この現象を視覚…

40. 『ゆるキャン△』14巻 花見キャンプ&新学期編で野クルにも新入部員が!

マンガや本を読んだり合間に小説を書いたりなど、それら私の趣味から考えると圧倒的インドア派に見えるのだが、実は昔からアウトドア派である。 趣味の影響が強いわけだが今流行りのキャンプに行った経験はない。 テントに宿泊したのは小中学校の野外学習・…

39. 『衛宮さんちの今日のごはん』8巻 平和で幸福なIF世界で食事を囲む

毎日の暮らしに幸福を感じられる人はとても恵まれた人だろう。 まわりの環境に良好な人間関係に支えられた人生は本人の人徳あってこそ成立する貴重な時間である。 他人の幸せを見てその幸せを分けてもらうことで日々の活力にもできる。ありがたい存在だ。

38. 『バンバンドリドリ』4巻完結 無二の漫画家が描く公式二次創作4コマ辞書

以前、ネット出身の漫画家作品を取り上げたが今回もその一人。 何でもありではないが誌面より自由な表現空間であるネット上で生まれた我流の才能たちは個が際立った存在である。 だからこそ普通の漫画では得られない魅力にあふれているのだろう。

37. 『魔王様ちょっとそれとって!!』1~8巻完結 テンポ良い掛け合いの魔王&魔法使い一行の協同生活

コメディマンガにおいて私が注目しやすいのは”ツッコミ”の存在。 鋭利なワードセンス光る言葉が笑いを大きくする。人間通しの掛け合いである漫才と比べて、漫画は読者の読む速度とテンポによって印象が変わる。 それらを無視しても笑える漫画は素晴らしい。

36. 『ツチノコと潮風』上下巻 都会と離島、繋ぐはスーパーとツチノコ館

隣の芝生は青く見える。人のものがおいしく見える。 都会人は田舎暮らしに、田舎者は都会暮らしに憧れたりする。 私は生まれも育ちも都会より。どこにでもあるような内陸部の普通の住宅地出身なので感じたことのない感情だが多くの人が一度は思うだろう。

35. 『スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ』1巻 欲と怪異に襲われる大学生活へようこそ

初見の作品がお気に入りになるとその後も作者を追いかけてしまうのはオタクあるあるだと思う。 そうやって追いかける作品数も続々増えていくわけだが、前作から時が経つと私の場合積極的に調べるタイプではないのでふとした時に 「あれ、あの先生今何やって…