マンガや本を読んだり合間に小説を書いたりなど、それら私の趣味から考えると圧倒的インドア派に見えるのだが、実は昔からアウトドア派である。
趣味の影響が強いわけだが今流行りのキャンプに行った経験はない。
テントに宿泊したのは小中学校の野外学習・林間学校くらいだし、友人とも山のコテージに泊まった程度である。
いつか行きたいと思いつつも周囲にそこまでのアウトドア派はおらず、かといってグランピングをしたいのではない。
悩ましい限りだが今はこれを読んでキャンプ気分に浸るのみである。
このブログで取り上げた中でも3本指に入る有名度だと思われる『ゆるキャン△』
山梨県を舞台に女子高生が様々なキャンプをゆる~く行う日常を描いたあfろ先生の人気作だ。以前書いた『mono』と同作者である。
再ブレイクした芸人のヒロシさんなどキャンプ趣味の有名人は多いが、『ゆるキャン△』は昨今のキャンプブームの火付け役の一つだと私は思っている。
年一、二巻ペースではや連載7年ほど。これまで作中においてメインで描かれていた”冬キャンプ”や”ソロキャンプ”はほぼ間違いなく本作から一般知名度が口コミ的に広がったと思われる。
マンガの人気からアニメ一期がスタート。同時期ににわかにキャンプブームが広がりを見せ始め、実写ドラマ一期、アニメ二期、ドラマ二期、そして今年はオリジナルアニメ映画と原作とメディアミックスの人気は留まるところを知らない。
特にコロナ禍の自粛期間中にアマプラ等のサブスクを通じてマンガ・アニメファン層だけでなく一般層の心にも刺さったのだろう。
そんな本作の最新刊が今日発売だった。予約済みだったので当日着ですぐに読んだ。
読みやすい画面は相変わらず、それでいて日常風景を描いているのに飽きない展開作りは尊敬する。今回は3月から4月を迎え花見キャンプと新入部員獲得に動く野クル(野外活動サークル)がメインだった。
マンガでありながらゆっくりと時間が流れるのも本作の特徴。一日一日の時間経過が丁寧に描かれ、些細な出来事や心理描写を漏らさず描き切る作者の技量がうかがえる。
13巻が初登場だった新キャラ2人うち新入部員1人は他キャラと同じく苗字が東海地方の地名から取られている。ちなみに新キャラは”中津川”と”瑞浪”の岐阜の地名だった。
キャンプ椅子の話、作中にまで押し寄せるキャンプブームの波、キャンプ用品店でバイト……まだまだ新展開盛りだくさんで、新ネタを自然な流れでうまく組み込む作者の力量には脱帽だ。
カバー下まであっという間に読み終えてしまったので、あとで再読しよう。
すると前の巻、前の前の巻、前の前の前の巻……と結局全巻読み返したくなってしまう。
繰り返し読みたくなる名作だ。