読んだら書くだけの存在

漫画や本を読んだ後の個人的感想の記録

51. 『あそびあそばせ』14, 15巻 混沌極めし女子中学生漫画の完結

 新刊が出るたびに継続して購入している漫画が何作あるか数えたことはないが、途中で買わなくなってしまったものも恥ずかしながらいくつかある。

 

 決して作品がつまらなかったわけではないのだが、毎月何冊も買う身としては紙一重だが面白さ優先度をつけてしまい後回ししている間に気づけば5巻で止まっている……なんてことも。

 

 

 なので完結までタイムラグなく追えられた作品は特に面白いということになる。

 

 

あそびあそばせ 14 (ヤングアニマルコミックス)

 

 涼川りん先生のあそびあそばせが二巻同時発売で完結した。

 

 記憶の限りでは3巻辺りから買い出して早数年経過していた。漫画の連載年数で時の流れが如実に身に染みる残酷さである。

 たしかネットで表紙と中身のギャップが話題になり始めた頃、本屋で平置きされていて手に取った。

 

 

 そうして15巻まで一貫して読んできたのだが、正直に言うと途中からだんだん訳がわからなくなっていた。

 

 原因として当初よりキャラ数が増えたこと、そしてキャラビジュアルが似ていること(ロングヘアーが多い等)ストーリーを”あそ研”3人以外をメインに据えだしたことなどがあげられる。

 特に3つ目がカオス化の要因で新聞部&美術部メンバーの回が急激に増加している。14,15巻は体感8割くらい彼女らの話だった。どうしてこうなった。

 

 

 本作は発行部数200万部以上でアニメ化も果たした人気作。主人公”あそ研”3人がワイワイ狂ったように遊んでいたころが懐かしい。それら前半の雰囲気やストーリーを考えると後半はせっかくの持ち味がブレてしまったような印象も受ける。

 もちろん話自体は最後まで作者の個性を鍋で煮詰めてぶちまけたようなオリジナリティに溢れており面白いのだが、初期の楽しさを忘れられない読者も多いのではないだろうか。

 

 

 このブログで散々口にしている通り「作者の意向が絶対」主義は変わらない。作品を書いているうちに初期設定から外れて物語とキャラが大きく変遷していくのは一定年数連載していれば必ず起こる現象である。いわゆる「キャラが勝手に動く」わけだ。

 

 結局読者は世に送り出された作者の子どもと言うべき作品たちを黙って受け入れるしかない。各々意見批判はあるだろうが本人に言っていいのは称賛批評だけだ。悪口や文句や自己中心的な意見は呪いの凶器になってしまう。厳禁だ。

 

 

 

 連載お疲れ様です。色々ありつつも最後まで面白く読ませてもらいました。

 涼川先生には次回作でさらなる良作を期待しています。