49. 『ディーふらぐ!』17巻 ヒロインレース加速するカオス学園部活モノ
お久しぶりです。
コロナ感染で寝込んでいるうちにしばらくぶりの更新となってしまいました。今日からまたゆるゆる再開していこうかと思います。
というわけで今回は超マイペースなキャラが繰り広げるドタバタコメディの最新刊となります。
春野友矢先生の『ディーふらぐ!』の最新17巻がちょうどコロナで臥せっていた時に届いた。
本棚に並ぶ現在進行形の連載作品の中でも特に新巻を楽しみにしている漫画の一つだ。届いたその日にベッドの中でゆっくり読んだ。
不良グループ風間一派のリーダーであり本作の主人公・風間堅次は自分たちの認知度を上げるため文化部に突撃しようとゲーム制作部(仮)の扉を開く。しかし部員たちは部室内で花火をしており今まさに火事になりかけようとしていた。必死の消火活動で事なきを得たが目撃者の記憶を消そうと部員たち風間一派に牙をむく……から始まるゲーム部活×学園×ヒロインなカオティックコメディ。
詳しく説明するのは冗長になるだけなので割愛する。
気になる人にはとにかく読んでほしい、コメディ好きならハマるはず。
本作の魅力は個性が強すぎるキャラクター陣、そしてセリフの応酬、主人公の強烈過ぎてうるさい程のツッコミ。
先が全く読めない展開に読者と同じくらい振り回される主人公は元々不良(?)を自称しているが根はかなり良いヤツ。なので他キャラのボケと謎行動にキレてツッコミながらも乗ってしまう。負けず嫌いな面も災いしているようだ。ある意味で主人公らしい巻き込まれ型不幸体質なのだろう。
ヒロイン陣はビジュアルからして個性が強いうえほぼ全員ボケ役。船堀さんという天使的・女神的キャラがいるものの境遇はボケ側になってしまう。主人公の疲労待ったなし。
ヒロイン陣の中でも一部キャラは主人公・風間へのバレバレな恋心を隠している。風間は鈍感なので気づいていないが周知の事実だ。長かった夏休み編で特にラブコメ要素が強まった感がある。読者としては進展具合が気になるので嬉しい。まあ依然として進まないのが面白いのだが……
さらに本作の特徴と言えば圧倒的数の多いモブキャラである。クラスメイト、他学年生徒、教師、近隣住民、他校生などなどとにかくセリフあり・名前ありでしっかり描きこまれた最早モブとはいえない主張の強いモブが山ほど登場する、他に類を見ないマンガだ。だがこのモブが作品固有のテンポと笑いを生み出すことに何役も買っている。
アニメ化もされたが私ランキングで最も2期をやってほしい作品だ。なぜ1期のみなのか? 円盤の売り上げが悪かったのだろうか、視聴率が問題か、そもそも1期しかやらない決まりだったのか、理由はわからないが個人的に原作再現度が非常に高く作画レベルも十分高かった。OPも作品ぴったりのハイテンション&ハイテンポなアニソンで最高だったし声優陣も小西克幸・花澤香菜・伊藤静・豊崎愛生・斎藤千和(敬称略)などなど人気と実力を兼ね備えたメンバーでありキャラとの相性も完璧、想像以上のハマり具合だった。
せめてOVAでもいいから新作を作ってはくれないだろうか? いつまでも待っています。
さて最新17巻はホラーが大の苦手な(仮)部員であり生徒会長・烏山千歳にフューチャーした一冊だった。元々傍若無人で敵なしな印象のキャラだったが数巻前から徐々に隠れていたカワイイ面が多数明らかになり風向きが随分変わってきた。その中でも「怖いの苦手」を克服しようとキャラたちが奔走するのだが、トラウマとなった過去の怪異現象が突如現れる超展開。風間との繋がりも明らかになる、
怒涛のオモシロカワイイ面白い話だった。
手持ちのマンガの中でも屈指の再読率を誇る名作だと思っている。あくまで私の主観であり様々な意見があるだろうが、これからも新刊が出れば必ず発売日に買い続ける。
ひとまずもう一度最初から読み直したい気分になってきた。