読んだら書くだけの存在

漫画や本を読んだ後の個人的感想の記録

77. 『ゆ→あい』1~3巻完結 ゆーじょう以上れんあい未満な高校生たち

 まっすぐ一途な気持ちで人を好きになったのは幼稚園が最初だったと記憶している。

 

 6歳という幼児の感情なんて、と思われるかもしれないがその後小学5年生頃まで同じ人を好きだった事実は自分でも純粋だったなぁと回想してしまう。

 

 

「誰しも」と一括りに語ってしまえば、どこからともなくうるさい方々がすっ飛んできそうなのでやめておこう。一定数の人は10代の内に初恋を経験すると思う。恋人と数年間過ごした楽しい時間も甘く切ない片思いも、振り返れば青春の1ページになっているだろう。

 

 胸に秘めた想いを打ち明けられず、今も後悔する人もいるだろうが中には友達以上恋人未満な関係がもどかしくも心地よかった人もいたかもしれない。

 

 

ゆーあい(1) (メテオCOMICS)

 

 とこみち先生の『ゆ→あい』はそんな人が共感?できる一冊だ。

 

 恋愛未経験で純粋だがどこかズレてる主人公が一目ぼれした。彼女は金髪で背が小さくいつも少し微笑んでいるが何を考えてるかわからない、ミステリアスというよりぼんやりしたヒロインだった。

 周りの友人にツッコミという名の制止とアドバイスを食らいながら、不器用に真っすぐアタックを続ける主人公。それを受け取ったり軽く流したりするヒロインの恋愛未満なラブコメ

 

 

 ラブよりコメディ、けれどハイテンションじゃなくローで突き進むヒロインに色々激しい主人公。2人の天然ボケを友人2人がとにかくツッコむのが基本スタイル。

 

 ばかばかしい程にピュアな主人公は一目ぼれの勢いそのままに――と思いきや恥ずかしさから話しかけるのも緊張してしまい、無理をすればすぐに鼻血が噴き出し倒れる。直接は厳しいので間接的に彼女に触れたいと、使い終わったストローをもらい受けたりストーキングしたり、かなりヤバい。下心はないが……まあヤバい

 

 一方ヒロインはそんな彼を特に嫌うこともなく「面白い人」程度の認識でいる。彼が自分のことを好きなのもとっくにわかっているがそれも込みでこの反応。はたから見れば不思議な関係性過ぎるが、この2人を中心に広がる”ゆーあいワールド”は結構癖になる

 

 

 この不思議な空気感にジャストフィットする作者の画風

 パッチリ大きな瞳、ちびキャラとリアルの間の頭身、正直好みが分かれる特徴的なキャラメイクだ。私は、自分でも少し驚いたが好きな絵柄だ。

 ロリっぽい、いやロリなキャラは漫画になると作品の良いアクセントとして機能する。あくまでフィクションの小柄な中学~成人が子供っぽいキャラが良いのであって、現実の子どもは論外。

 

 作者のファンになったのは本作がきっかけだった。幼い見た目とギャップがあるストーリーや女子同士の低血圧でゆるいやり取りが琴線に触れた。

 

 

 ざっと過去に紹介した作品を見返したが本作との共通点があるものが多くて、その全てを公開していると考えると、性癖がバレてるようでこれはなかなか恥ずかしい

 

 このブログは自分の好みを客観的に再確認する意味もあるためその役目はしっかり果たせているわけだ。

 今後も終わりのない確認作業は続いていく。