19. 『丸井諒子作品集 竜のかわいい七つの子』 自然への敬意に幻想を組み込んだ考えさせられる物語
短編集が続いているが、積んだままの長編作は一度読み出すと続きが気になって他事を後回しにしてしまうので読むこと自体を後回しにしてしまう。
短編集なら一話完結で多様な話を読めるお得感もあって少し漫画を読みたいときに重宝する。
というわけで今回も一押しの短編集だ。
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17. 『螺旋人同時上映 速水螺旋人短編集』 戦争+ファンタジーの短編漫画群
短編集の魅力とはなんだろう。
私は作者の個性と趣味嗜好がわかるもの点だと思う。一話ごとの繋がりを意識しなければいけない長編と比べて、作品のテーマ設定から自由度が高く好きなように描ける。
特に初めて読む作者の時、短編集を手に取れば自分の好みと作者の好みが合うかがわかる気がする。
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16. 『ショートショートショートさん』 どこかにいる大人女性の日々を描く
現実世界を生きる我々は日々の疲れや退屈から逃げるように映画や漫画などフィクションの世界へ身を投じる。
そうした簡易的な現実逃避は生きる力にもなる。
けれど時に求めるのは剣と魔法とドラゴンな非現実ではなく超絶タイプな美形との大恋愛でもなく、過去現在のどこかにあっただろう日常なのはなぜだろうか。
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12.『悪い夢のそのさき...』 優しい筆致で描かれる闇の世界
私がホラーの話を書く時、やはり恐怖までの到達時間を短くしたいと思ってつい1000字程度の短編ばかりを書いてしまう。
しっかりと登場人物を深堀りしストーリーに伏線と謎を散りばめてオチであっと言わせる……そんな長編ホラーが王道だ。
しかしホラーはいかに読者に恐怖や不安を感じさせるかこそ重要だと思う。長々と文章が続かなくても情景が分かり読者が語り手になれればちゃんと怖い。
この短編集はまさにそんな内容である。
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11. 『ちおちゃんの通学路』1~9巻完結 愛すべきバカ達の行動記録
普通に生活していて人に面と向かって「バカ」と言うのは、このご時世において小学生ですら許されない。最低で叱責、最悪で炎上して社会的死、のちに裁判沙汰である。
人を侮辱することは倫理的にも法的にもNG。そんなことはわかっている。
だがしかし漫画のキャラにならいくら言ってもいいだろう。しかもコメディ漫画のキャラならなおのこと、むしろ誉め言葉である。
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