読んだら書くだけの存在

漫画や本を読んだ後の個人的感想の記録

マンガ

34. 『ゆうれい犬と街散歩』 東京を歩いて探すのはそこにあるもの

先日前々から行きたいと思っていたお店に念願かなって行くことができた。 中野ブロードウェイ内に入る「タコシェ」という主にミニコミや同人誌等一般流通していない書籍を扱う書店がある。小さなお店だが魅力的な書籍や雑貨・グッズが溢れている人気店だ。 …

33. 『すのはら荘の管理人さん』8巻完結 全肯定母性お姉さん×少年の癒し系ラブコメ

漫画やアニメやドラマシリーズなど話数を重ねれば重ねるほど終わりが惜しくなる。早く結末を知りたい気持ちが湧き上がるけれど終わってほしくない、まだ続きを読んでいたい気持ちも強い。 作品の終わりを決めるのは読者だ。それは作品に魅力がなくなり人気が…

32. 『mono』3巻 作者の趣味盛り沢山の部活ものローカルマンガ

私は興味の幅は広いと自負しているが実際は広く浅いため知識も経験量も大したことない。 創作物、とりわけ物語は作者の趣味嗜好が反映されやすいと度々書いてきた。趣味一ネタをメインにした漫画は数多い。 しかし一ネタだけで話を作るのは苦労するだろう。…

31. 『忍者と殺し屋のふたりぐらし』1巻 流され抜け忍とクールJK殺し屋の共同生活 

気づけば30回を通り過ぎて一回目。 ビッグネーム作品を読んでないわけではないが、どうせならブログ上で取り上げられにくい作品を書こうとしている。私自身はブログをほぼ読まないので下調べはゼロ。 他所と被るのを回避しようとしていたら自己内でジャンル…

30. 『ウツロボロス』 目を背けたくなるほど危険度高なショッキングホラー

ネットから世に出ていく著名人やクリエーターは2000年初頭から年々増えていると思う。 漫画界も電子書籍の波からwebコミック誌の台頭、SNSの浸透によって次々と新人が発掘されていった。一般人が自由に表現できる場としてネットは大きな受け皿として機能して…

29. 『まどろみバーメイド』11巻 風変わりなバーテンダーに最高の一杯を。

実写化されるような職業物のマンガはほぼ手を付けていない。 現実社会の話を読んでもあまり心が躍らない。もちろん例外はあるが、マンガには素晴らしいフィクション世界があるというのにわざわざ日常に近しいものに触れようとは思わないためだ。 現実世界の…

28. 『夢想のまち』1,2巻 淡く静かな町で暮らしていく

幼いころからほぼ毎日夢をみている。瞼を閉じる直前に焼き付いた記憶と記録がバラバラになって再構成した世界は一夜だけの幻であり、目が覚めれば光速で失せていく。 ――謎の語りはそのくらいにして。 ぼんやりと不確かなようでその町には生まれ暮らす人がい…

27.『ぱらのま』1~5巻 のんびりマイペース女性の電車旅

現実とリンクした作品は実在の地名や事物が登場すれば馴染みがあるためその世界観に入りやすく、人気が出れば”聖地”となり多くのファンが訪れる観光地にもなる。 手元の漫画に実在の土地がそのまま作品舞台となっているものは少ないが、最近読んだものを取り…

26. 『モンスター娘の殺し屋さん』1, 2巻完結  ポップなモン娘たちに翻弄される女子高生アサシン

表紙買いしてしまう作品には共通する特徴がある。 限られた情報から買うか買わないかを判断するわけだが、根拠となるのは間違いなく表紙の絵である。 シンプルでゆるい絵やキャラデザインは高確率で欲しくなる。 ほぼ確実に気兼ねなく読める内容だからだ。

25. 『黄色い円盤』 奇想の作者によるぶっ飛んだ神秘的ストーリー

漫画の中にはジャンル分けが難しいものがある。 たとえば『ゴールデンカムイ』のように公式が”闇鍋”と称する作品は多種の要素取り入れているためざっくりと分けるのは困難だ。 中には別の理由で区分けが難しいものもある。 独創過ぎるものだ。

24. 『上野さんは不器用』1~10巻完結 恋する天才発明家は思春期乙女でした

一月の書籍に割ける金額が限られる身にとって、既に手元にある本と似たテーマの本は後回しにしがち問題がある。 「だったらもっと稼げばいいだろ!」と正論が飛んでくるがそうもいかない世知辛さなので購入書籍の優先順位付けと取捨選択が必要になる。 それ…

23. 『カガクチョップ』1~6巻完結 ブラックでブラッドな発明道具コメディ

趣味の分野ならあるあるだと思うが、気に入った作者の作品を集めてしまう癖がある。 初めて知った作者だから新人かと思って調べると過去作いっぱいなんてこともしばしば。 そうなると怒涛の物欲で収集してしまう。なんとも荒い金遣いで、いつまで経っても貯…

22. 『ときめきのいけにえ』1, 2巻 作者初の長編ホラー×ラブコメ

ここに書く漫画・本は直近で読み終えたものを書くか、過去を思い出して書くかの二択なのだが作者被りは意識的に避けていた。 単純に書くネタとして幅を持たせるために異なる著作者のものを選んできたのだが、同作者をよく読む者としては書かないわけにはいか…

21. 『僕が死ぬだけの百物語』1~3巻 小学生が”何か”に語る恐怖怪談

出版社を気にして購入する人はいるのだろうか。 版元ごとに取り扱う本には傾向があるため興味あるジャンルを出版していれば買うというのが一般的ではないだろうか。 私も本を多く買うようになってから各出版社を知ったのだが、本棚をふと見た時に「この出版…

20. 『未確認で進行形』 12, 13巻 どうしようもなく愛らしい(バ)カップルマンガ

恋愛もしくはラブコメは私が読む漫画ジャンルの内、だいたい3割を占めている。これが多いか少ないかわからないが、我がマンガライフに欠かせない存在である。 とはいえ成人して数年経った身としてはあまりにも ヒロインかわいい! や ちょっぴりえっち な要…

19. 『丸井諒子作品集 竜のかわいい七つの子』 自然への敬意に幻想を組み込んだ考えさせられる物語

短編集が続いているが、積んだままの長編作は一度読み出すと続きが気になって他事を後回しにしてしまうので読むこと自体を後回しにしてしまう。 短編集なら一話完結で多様な話を読めるお得感もあって少し漫画を読みたいときに重宝する。 というわけで今回も…

18. 『JUKE BOX』 確かな画力で紡がれる胸熱展開満載の短編集

CD文化が廃れつつある今は「ジャケ買い」という言葉はすでに死語かもしれない。 ただ「表紙買い」は今も広く使われている、と勝手に思っている。 短編集をキーワードに何かいい作品がないか探しているとき出会ったのが本作である。

17. 『螺旋人同時上映 速水螺旋人短編集』 戦争+ファンタジーの短編漫画群

短編集の魅力とはなんだろう。 私は作者の個性と趣味嗜好がわかるもの点だと思う。一話ごとの繋がりを意識しなければいけない長編と比べて、作品のテーマ設定から自由度が高く好きなように描ける。 特に初めて読む作者の時、短編集を手に取れば自分の好みと…

16. 『ショートショートショートさん』 どこかにいる大人女性の日々を描く

現実世界を生きる我々は日々の疲れや退屈から逃げるように映画や漫画などフィクションの世界へ身を投じる。 そうした簡易的な現実逃避は生きる力にもなる。 けれど時に求めるのは剣と魔法とドラゴンな非現実ではなく超絶タイプな美形との大恋愛でもなく、過…

15. 『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』4巻 待望の新巻 かわいいキャラと福岡情報

前回、漫画の刊行スピードについて触れたが、今回の作品はまさに待ちに待った新巻だった。 前回が2019年7月。実に3年ぶりの新巻である。

14. 『ドキュンサーガ』4巻 約3巻分の回想が終わり物語は新たな展開へ

週刊連載か月間連載か、はたまた不定期連載かによって単行本の発売スピードも比例する。 早ければ3か月に一巻、遅ければ年一巻かそれ以上。 楽しみにしていればしているほど、たとえ3か月でも待ちきれない。

13.『クレイジーフードトラック』1~3巻完結 ハリウッド感溢れる近未来グルメ漫画

漫画界には多種のジャンルが存在する。バトル、ラブコメ、ギャグ、スポーツ、ホラー、歴史……etc. 細分化すれば100はあるかもしれないが、昔から人気なものに”グルメ”がある。一般に知られる有名作・長編作も数多い。 私は色々と読むほうだと自負しているのだ…

12.『悪い夢のそのさき...』 優しい筆致で描かれる闇の世界

私がホラーの話を書く時、やはり恐怖までの到達時間を短くしたいと思ってつい1000字程度の短編ばかりを書いてしまう。 しっかりと登場人物を深堀りしストーリーに伏線と謎を散りばめてオチであっと言わせる……そんな長編ホラーが王道だ。 しかしホラーはいか…

11. 『ちおちゃんの通学路』1~9巻完結 愛すべきバカ達の行動記録

普通に生活していて人に面と向かって「バカ」と言うのは、このご時世において小学生ですら許されない。最低で叱責、最悪で炎上して社会的死、のちに裁判沙汰である。 人を侮辱することは倫理的にも法的にもNG。そんなことはわかっている。 だがしかし漫画の…

10. 『成程』 軽妙な言い回しで広がる日常の出来事

私たちは果たして日常生活を楽しめているのだろうか。 ありきたりで当たり前の事象しか起こらない、機械仕掛けの毎日に身を任せ情報の濁流に溺れて思考停止してるだけかもしれない。 しかしどんな人も毎日を楽しめていた時代があったはずだ。 全員とは言わな…

9. 『ごくちゅう!』1, 2巻 愛らしい顔した受刑者達の日常

ムショで暮らしたい人はいない。 かと思いきやニュースを見ていると事件を起こした犯人が、 「刑務所に入りたかったからやった」 そんな供述をたまに耳にする。 理由は複数例あると思うが、おそらく多いのは衣食住に困らないからだろう。 たしかに刑務所内な…

8. 『リバーシブルマン』1~3巻 超猟奇的死体とその謎を追う人々

わざとではないがホラーやグロい漫画が続いている。 色んなジャンルを読むタイプではあるけど、今はたまたまホラー系がマイブームになってるからこうなってしまった。 同じジャンルの色んな作品を読んで読み比べたい意識が働いてるのかもしれない。 というわ…

7. 『血潜り林檎と金魚鉢男』1~3巻 固有の世界観を上手くまとめた良作

人は協調性がなければ生きられない。たった一人で人間社会に生まれて死ぬまで独力で生活できる者は存在しない。誰しもが顔を合わせず名前も知らない他人の支えを借りて立っていられる。 その一方で周囲からずば抜けて個性豊かな個人に多くの一般人は惹かれる…

6. 『イキ死ニ 令和少女狂奇譚』 奇抜な発想の狂気ホラー

ホラーにも様々なジャンルがある。 心霊、都市伝説、サイコ、殺人鬼、SF…… それぞれに良さがあり面白さがあって、好みは人による。私はどれも好きなので色々読む。有名作すらまだまだ未読が多いのに、未知の作者の、未知の作品を読みたい欲が沸々と沸いてし…

5. 『トモダチ✕モンスター』1~3巻完結 絵柄と展開のギャップ

ギャップ好きの人は多い。 意外性はあればあるほど見た目と中身がイメージ通りの組み合わせだと得られない感情が生まれる化学反応である。ただし、テンプレの”不良が実は動物に優しい”はプラスのギャップだが”生徒会長が実はカンニングしていた”はマイナスの…